
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年6月9日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼6日(金)の為替相場
(1):独経済指標は予想を下回る
(2):「警戒したほど悪くない」米雇用統計
(3):米大統領1%利下げを主張
▼6日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:雲の上下限がポイント/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
6日(金)の為替相場

期間:6日(金)午前6時10分~7日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独経済指標は予想を下回る
独4月鉱工業生産は前月比-1.4%と市場予想(-1.0%)を下回った。同貿易収支は146億ユーロの黒字で、黒字額は市場予想(191億ユーロ)を下回った。なお、その後に発表されたユーロ圏1-3月期域内総生産(GDP)・確定値は前期比+0.6%となち、改定値(+0.3%)から上方修正された。
(2):「警戒したほど悪くない」米雇用統計
米5月雇用統計は非農業部門雇用者数が13.9万人増と市場予想(12.6万人増)を上回った。失業率は前月から横ばいの4.2%で予想通り。平均時給は前月比+0.4%、前年比+3.9%と、いずれも予想(+0.3%、+3.7%)を上回る伸びとなった。ただ、非農業部門雇用者数は3月分及び4月分が合計で9.5万人下方修正。生産活動に参加できる人のうち、実際に働いている人と仕事を探している人の割合を示す労働参加率は62.4%と前月の62.6%から低下した。米5月雇用統計は「見た目ほど強くない」との見方もあったが、「警戒したほど弱くない」との見方が優勢で発表後はドルが上昇した。米国の景気不安が和らぎ主要株価指数が揃って上昇する中でクロス円も堅調だった。
(3):米大統領1%利下げを主張
米国のトランプ大統領はSNSで「米連邦準備制度理事会(FRB)の対応が遅すぎるのは大惨事だ」「ヨーロッパはすでに10回も利下げしているのに、我々は一度もしていない」「1%の利下げを実施すべき、ロケット燃料だ」などと主張。あらためてFRBに利下げを求めた。なお、トランプ大統領はこの日、FRBの次期議長について「非常に近い時期に明らかになる」と発言。パウエル議長の任期が2026年5月まで残る中で異例の早期指名となる可能性を示唆した。